Uniclassの番号は、冒頭にテーブルの分類を示すアルファベット2文字で記し、2桁の数字をアンダーバーでつないで階層をあらわします。建物要素の分類であるEFは、3階層の構造となっています。
第一階層は15分類あり、建築もインフラも含みます。建築に関する分類は、「EF_15 Earthworks and remediation（土工・改良）」「EF_20 Structural elements（構造エレメント）」「EF_25 Wall and barrier elements（壁およびバリアエレメント）」「EF_30 Roofs, floor and paving elements（屋根、床、舗装エレメント）」「EF_35 Stairs and ramps（階段および傾斜路エレメント）」です。
それらの第二階層は、より具体的な部分に分解されます。「EF_25_30 Openings（開口）」を例にすれば、第三階層は、「EF_25_30_25 Doors（ドア）」「EF_25_30_33 Gates（ゲート）」「EF_25_30_36 Hatches（ハッチ）」「EF_25_30_45 Louvres（ルーバー）」「EF_25_30_95 Vents（ベント）」「EF_25_30_97 Windows（窓）」と、開口の種類が分類されています。
製品の集合体であるSsの第一階層は18分類あります。EFとSsは、EF⇒Ssの関係で第一階層の番号が共通化されています。例えば20は構造、25は壁とバリア、30は屋根、床、舗装、35は階段および傾斜路の分類です。
Ssの第二階層は、EFの第二階層の種類にと言い換えられます。
例えば、EF_25_30 Openings＝の種類として、Ss_25_30 Door and window systems、Ss_25_32 Gate and access control systems、Ss_25_36 Operable barrier systems、Ss_25_38 Wall and barrier opening hardware systems、Ss_25_45 Wall covering and finish systems、Ss_25_50 Wall-mounted canopy and screen systemsがあります。
Ssの第三階層は第二階層の種類です。
「Ss_25_30 Door and window systems」の第三階層を確認すると、「Ss_25_30_15 Concrete wall glazing systems（コンクリート壁ガラスシステム）」「Ss_25_30_20 Door, shutter and hatch systems（ドア、シャッター、ハッチシステム）」「Ss_25_30_29 Fire and smoke curtain systems（防火および防炎カーテンシステム）」「Ss_25_30_95 Window and window walling systems（窓とウィンドウォールシステム）」となっています。
さらに「Ss_25_30_95 Window and window walling systems」の第四階層は「Ss_25_30_95_95 Window systems（窓システム）」「Ss_25_30_95_96 Window walling systems（ウィンドウォールシステム）」のように種類で分類されます。
SsがBIMオブジェクトの分類をあらわすと考えれば、SsはEFの番号で仮定した要素や機能を具体化する意味を持ちます。例えば、ある部屋はEFの番号で示す要素や機能を持っており、そこにSsの番号を持つBIMオブジェクトを配置することで、要素や機能という概念をシステムという実体で定義することができます。
個々の製品の分類であるPrの第一階層は15分類あります。「Pr_20 Structure and general products（構造および一般製品）」「Pr_30 Opening products（開口製品）」など第一階層の番号がEFやSsと共通化されている項目もありますが、必ずしもそうではありません。
Prは、Ssのシステムを構成する製品（資機材）です。例えば「Ss_25_30_95_95 Window systems（窓システム）」を構成するPrの集合は、「Ss_30_40_30_52 Mastic asphalt inverted roof covering systems（アスファルト防水外断熱システム）を構成します。
この集合に何を含めるか／含めないかは、規格であると共に任意です。例えば、アスファルト防水外断熱システムの規格は公共建築工事標準仕様書に提示されています。一方で、窓システムにカーテンレールや遮光ブラインドを含むか否かは積算の観点や購買の観点で異なり、BIMデータをマネージする人の考えに従うでしょう。
Uniclassを管理しているNBSは、システムやコンポーネントの分類であるSsの最下層の番号ごとに、仕様書のマスター書式、図面やモデルの表記であるLOD、配信すべき情報であるLOI（性能、規格、構成品、運用・保守）の説明、英国王立チャータード・サベイヤーズ協会（Royal Institution of Chartered Surveyors：RICS）が提供する価格情報への直接リンクなどを用意しています。NBSは、仕様書を作成するクラウドシステムと、その情報をBIMデータと連携するアドオンプログラムも提供しています。